2010年8月30日月曜日

生まれて初めて書評していただいた!

5月の文学フリマでお隣だった「浦橋天地堂」さんのブログで、
「プラズマッ!」を書評していただいているのを発見しました。

人の身の限りを思ひ日々綴る(プラズマッ!)

こうして真摯に書評していただくこと自体が初めてで感動的なうえに、
書いている自分が気付かなかったことを客観的に示していただいて、
大変勉強になる、
というか、感激した、
というか、正直、号泣したというか、
とにかく、書いて良かった! 文フリ参加してよかった!

本当にありがとうございます。

以下引用


決して深刻な悩みではないが、平凡な日常に対する鬱屈は存在する。そのような緩やかな不満は多くの平均的な日本人が抱いているものだと思います。(中略)ほとんどの現代日本人の生活に激痛はない。しかしそこに鈍痛はあるわけです。(中略)『プラズマッ!』はそのような平均的日本人の鈍痛を描いた作品であると僕は感じました。


僕はこの部分を読んで、震えましたよ。
こんなに真摯に、丁寧に分析していただいているという。
「激痛ではなく、鈍痛」というのは、
確かに無意識にずっと描き続けていたテーマでした。
あと、もう一ヶ所引用。

『プラズマッ!』の文体には真剣な雰囲気がなく、くだけていてふざけたような雰囲気が漂っているのですけれども、そのような真剣さ、深刻さの欠如こそトーキチが平均人としての幸福を既に得ていることの現れなわけです。古典的な文体を排したことは、願いが叶わない現実に対するトーキチの深刻な認識の欠落をよく表現するものとなっていると思います。
もっとも僕がこだわりを持っている(持ちすぎて自縄自縛のきらもある)
「軽薄な文体」に対しての、なんて的確な理解!


こうして、自分の作品が書評される快感を知ってしまった僕。

その快感が忘れられず、また書いてしまうだろうという予感。

出口の見えない文芸沼に、また深く嵌まってしまった気がします。





ちなみに「イエローカード」も批評して下さっているのですが、

人の身の限りを思ひ日々綴る(イエローカード)

こちらは辛口。
というか、「全部バレちゃってるわ、へへっ」という、
沸朕杯のメンバーが誰しもが認めるであろう「大きな欠陥」を、
見事に指摘していただいております。

以下引用。

軽く自殺する気になり、軽く自殺を止める、という感じで、「死」という巨大なテーマが軽い問題になっているような印象を受けます。ストーリーも単調で、小説『プラズマッ!』に比べて作品の広さも深みも欠けている感は否めないです。

ご指摘の二点(死が軽い、ストーリーが単調)に関しては、
フィッシュと何度も検討して、

死が軽い問題には、「そんぐらい死が軽いのが現代なんだ」という理屈、

ストーリー単調問題は、「編集マジックで捩じ伏せよう」

ということで誤魔化したつもりだったのですが、
やっぱりバレちゃうものですね


ともかく、浦橋天地堂さま、ありがとうございました。








































先週、江ノ島に行った時のケニーロ。

ベビースター ON 乳頭!

2 件のコメント:

  1. 浦橋天地堂のゲッパというものです。先日の文学フリマではどうも。あと、書評へのコメントありがとうございます。

    書評でも書いたことですけど、『プラズマッ!』の方はなかなか読みごたえがあってよかったですよ。

    『イエローカード』の方は酷評になってしまって、自分でも書いてるときに「ちょっと、きびし~かな~?」なんて思ったのですが、お世辞を書いても生産的な評論にはならんかなと思いまして、ああいう内容になりました。「あれだけでは物足りないな…」という考えは、今も変わってないです。

    『イエローカード』の製作過程で松田フィッシュ氏と検討されたという「現代では死は軽いものなのだ」という発想は、興味深い考え方ではあります。ただ『イエローカード』の水準ではそれを十分表現できたとは言い難いんじゃないでしょうか。しかし、死を深刻な事態と捉える思想に抗して死の軽さを徹底して追求していったならば、新たな作品の可能性が見えてくるかな、という気もします。

    僕のブログを引用していただきましたが、改めてこの文章を読んだところ、なんか日本語として少しおかしい…例えば、引用していただいた「トーキチにおける願いが叶わないことを現実に対する深刻な認識の欠落をよく表現するものと」の部分とか、なんか変な文章です。なので日本語として分かるように文章を一部修正しましたので報告しておきます。上の部分は「願いが叶わない現実に対するトーキチの深刻な認識の欠落をよく表現するものと」に変えました。

    あと細かいことですけど、僕のブログのタイトルは『人の身の限りを思ひ日々綴る』です。ここで紹介していただいたタイトルの名前には「身の」の部分が抜けてます。

    今まで文芸製作に消極的だった姿勢が変化して意欲が出てきたとのことですので、次作に向けて頑張ってください。それでは失礼します。

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  2. 上気の二点、直しました。

    とにかく、ありがとうございました!

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